UNLEASH

THINK BOOK

by ERESO

ERESO は 2026 年 6 月 1 日に開業いたしました。
そのため、現時点では ERESO としてお示しできる業務実績はございません。
また、前職で携わった業務実績を当社の実績として掲げることも適切ではないと考えております。
そこで本冊子では、私が設計者として培ってきた、時代や社会課題に対する「思考の軌跡」の一部をご紹介いたします。
企画とは、答えを示すことではなく、共に考え、可能性を見出していくことだと考えています。
これらの思考をご覧いただき、ERESO が皆様の事業やまちづくりにどのように貢献できるかをご判断いただけ
れば幸いです。
ERESO は、皆様と共に思考する会社です。

代表取締役社長 海老原 悟

Museum

1

/美術館を考える

3D プリンターによる美術品の複製とチェーン美術館の誕生は、地理的制約を破る芸術の民主化である。同時にそれは、作品の「いま・ここ」にある唯一無二のオーラを喪失させ、本物の神格化と空間体験への依存を加速させる。輸送や保険のコストを排した合理的な文化消費インフラが成立する一方で、データのライセンス化は「芸術」と「製品」の境界を曖昧にする。特権からの解放は、唯一性を崇める人間の業を逆照射する。

Government Office

2

/行政施設を考える

行政施設に日常利用する飲食店や生活サービスを併設することで、人々は手続きのためだけでなく普段から区役所を訪れるようになる。行政と区民の接点が増え、地域課題や要望を自然に把握しやすくなるほか、災害時には身近な拠点として機能する。行政を「用事がある時だけの場所」から「地域の交流拠点」へ転換する意義がある。

Hospital

3

/病院を考える

少子高齢化時代の病院は、「治療の場」から「健康を維持する基盤」へ変わる。日常はAI やウェアラブル機器が健康状態を見守り、異常時のみ医療者が介入する。病院は高度治療や手術に特化し、予防・診断・在宅支援を地域全体で担う。限られた医療資源を最適化しながら、人の安心と尊厳を支える新たな医療拠点を目指す。

School

4

/学校を考える

子どもが多かった時代の学校は、同世代の集団の中で協調性や競争力を育む場だった。しかし少子化が進み、社会は多世代・多様な価値観が共存する時代へ移行している。これからの教育は、子ども同士だけで完結するものではなく、地域や商店街など社会に開かれた環境の中で、多様な人々と関わりながら学ぶものへと変わるべきだ。

Logistics facility

5

/物流施設を考える

高速道路上空を物流空間として開放し、Amazon 型の商品管理システムと一体化することで、都市部の限られた土地を有効活用できる。AIによる需要予測と在庫管理により、保管と輸送を同時最適化し、配送時間や物流コストを削減する。道路は単なる移動インフラから、商品・情報・人を結ぶ高度な流通基盤へ進化し、都市の競争力向上に寄与する。

Stadium

6

/スタジアムを考える

大規模スタジアムは建設費や維持管理費に加え、年間利用日数の少なさが課題となる。一方で、スポーツやライブは現地でしか味わえない熱気や一体感に価値がある。そこで、現地観戦の魅力を尊重しつつ、VR技術で街全体をスタジアム化することで、多くの人が臨場感を共有できる環境を整える。既存施設を活用しながら、日常とイベントが共存する新たな都市空間を提案する。

The Case of Ebis

7

/街を考える(恵比寿の場合)

恵比寿は、大規模商業施設ではなく、良質な個店や専門性の高いサービスが街の品格を支えてきた。そこで本計画では、人々の日常を豊かにする「食」、心を解きほぐす「緑」、人生に寄り添う「医療」を一つの建築に重ねた。飲食で街に賑わいを開き、屋上庭園で都市に余白をつくり、クリニックで健康を支える。恵比寿らしい成熟したライフスタイルを建築として表現する提案である。

The Case of Sakae

8

/街を考える(栄の場合)

名古屋の中心は駅ではなく栄である。久屋大通公園を遮らず、その上に浮かぶアリーナは、人々の日常の流れと都市の熱狂を重ねる装置だ。黄金の姿は金の鯱に象徴される名古屋の誇りと、ものづくり都市が蓄えた豊かさの象徴。イベントのためだけでなく、街の景色そのものとして存在し、栄に人を集め続ける新たな都市のシンボルとなる。

The Case of Nishiki 3-chome

9

/街を考える(錦三丁目の場合)

錦三丁目は中部圏最大級の歓楽街として多様な働き手を支えてきた。一方で近年は客引きやぼったくり被害、未成年者を巻き込んだ違法営業などが顕在化し、安全性の向上が課題となっている。交番による見守り、保育所による就労支援、スーパーによる生活利便、単身住居による職住近接を整備することで、特にシングルマザーが安心して働き暮らせる都市基盤を形成し、錦の健全な再生につなげる。